ロボットハンド部品軽量化事例
活用事例をご紹介しております。導入検討の材料としてお役立てください。
ロボットハンドの軽量化により、ワーク可搬重量が従来比 2.5倍 に!
お使いのロボットハンド部品を見直すだけで、ロボットのサイズアップが不要になる可能性があります。
導入背景
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業界:電機、機械設備業界向け
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用途:小型ロボット(MotoMINI:総可搬重量500g)のグリップハンド部品(爪と間座の部分)
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課題:ロボットの設置スペースに制限があり、サイズアップは生産ラインのレイアウト変更を伴ってしまう。
ロボットを新しく購入しないといけない…
サイズが大きくなると設置スペースにも困るなあ…
導入効果
ロボットハンド部を軽量化することで、
ワーク可搬重量を従来比 2.5倍 を実現しました。
※ 比較対象は鉄(比重7.9)です。
従来の可搬重量
137g
フェルカーボ化
による可搬重量
340g
展示会での実演展示品(MotoMINI:可搬重量500g)
<その他の効果>
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グリップハンドによる対応製品の拡大
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ロボットサイズアップ不要による設備投資費用の削減、設置スペースの最小化
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モーター容量の小型化による省エネ(ランニングコストダウン)
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既存ロボット活用による生産ラインのレイアウト変更(移設)不要
消費電力を抑えられたことで
ランニングコスト削減にも繋がりました!
技術士によるコメント
可動部分の重量のみならず必要なアームのリーチ、移動距離、速度などがより大きくロボットの仕様と性能の選択に影響します。そして可搬重量の限界内でも仕様上の余裕がなくなれば、長期的に精度、信頼性、耐久性にも影響していきます。先端に近い部分から根元まで軽くて剛性の高いフェルカーボを使うことで、コスト、精度、信頼性、耐久性の向上を図れます。
またロボットを新品に交換する場合、交換前のロボットに使い道がなければ2台使って作業するのと同じですが、キャッシュフロー以外に旧品の償却残や保守、保管、管理のコストなどが全体の損益効果計算や原価計算の際に漏れてしまいやすく注意が必要です。
その他に購買や設置調整メンテナンス、資産管理など業務の負荷やリードタイムなどを含めて考えると、ロボットを交換しないで済むメリットには非常に大きなものがあります。
日本技術士会 技術士
永野技術士事務所代表
永野 眞